もし手軽で本格的なイタリア料理が食べたくなったら、サイゼリヤが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。筆者自身、このコストパフォーマンスに優れたファミリーレストランには毎週のように足を運んでいます。
私の地元では、街中どこでもサイゼリヤの緑の看板が目につくほど、一般的な存在です。しかし、全47都道府県を見渡すと、意外にもサイゼリヤが一店舗もない地域が存在するのです。
一見すると、国内どこにでも店舗があるかのように感じられますが、実際にはどうなのでしょうか。
本記事では、そんな「サイゼリヤが未出店の県が存在するのか?」という疑問に対して、具体的な県名やその背景にある出店戦略について深掘りしていきます。
沖縄や鹿児島など、特定の地域でサイゼリヤが見られない理由についても考察してみたいと思います。
サイゼリヤが未出店の県について
2024年9月の時点で、サイゼリヤが店舗を構えていない県には、大分県、宮崎県、長崎県、鹿児島県、愛媛県、高知県、徳島県、そして沖縄県が含まれています。これらの県では、サイゼリヤを見つけることはできません。
多くの方が、サイゼリヤが日本国内で広範囲に店舗を持っていると考えがちですが、実はそうではないことが明らかになります。
特に沖縄では、サイゼリヤが完全に未出店であるため、地元の人々にとってはサイゼリヤのブランド名やその人気はあまり馴染みがないかもしれません。
日本の他の地域では一般的なこのファミリーレストランが、沖縄を含むいくつかの地域ではまだその足跡を残していないのです。
未出店の謎を解明:サイゼリヤが進出していない県の背景
地域競合の影響
サイゼリヤが展開していない県が意外に多いことに驚かれるかもしれませんが、その背後には様々な理由が存在します。特に、地域内での競合他社のプレゼンスが大きな要因として挙げられます。
例として、九州地方では「ジョイフル」というファミリーレストランが強い影響力を持っています。
サイゼリヤと同様にリーズナブルな価格設定で知られるジョイフルは、鹿児島県に52店舗、大分県に46店舗、宮崎県に36店舗を展開し、地元住民に広く受け入れられています。
私自身はジョイフルにあまり馴染みがありませんが、九州の住人にとってジョイフルは「手頃な価格のファミリーレストラン」と言えば真っ先に名前が挙がるほど、地域に根付いています。
このような状況下では、サイゼリヤが九州地方に新規出店する場合、既に確立されたジョイフルとの競争が避けられず、市場への参入が困難になることは明らかです。
この競争の激しさが、サイゼリヤの出店戦略に慎重なアプローチを取らせる一因となっているのです。
観光地特有の食文化の影響
沖縄はその美しい海と独自の文化で知られ、国内外から多くの観光客が訪れることで有名です。このような背景を考えると、観光客向けの飲食店が繁盛する可能性は確かに存在します。
しかし、サイゼリヤが沖縄県に店舗を構えていない理由の一つとして、観光客の食の嗜好が挙げられます。
沖縄を訪れる観光客の多くは、地元の郷土料理や独特な食文化を求めており、そのため、伝統的なイタリア料理を提供するチェーン店よりも、地元の食材を活かした料理を提供するレストランに興味を示す傾向にあります。
この観点からすると、イタリアンレストランであるサイゼリヤが沖縄に進出しない理由は、地元の食文化へのマッチングの問題と見ることができます。
観光客が地元の味を求める中で、サイゼリヤのようなグローバルなファミリーレストランがそのニーズに合致しない可能性があるためです。
サイゼリヤは、その手頃な価格とおいしいイタリアンメニューで多くの人々に愛されていますが、私自身も毎週のように訪れるほどのファンです。
しかし、観光地へ行った際に同じくサイゼリヤで食事をするかというと、私の答えは「NO」です。観光地では、その土地固有の美食を楽しみたいと考えるのが一般的です。
観光地での飲食店経営は家賃が高く、競争も非常に激しいため、新規参入のハードルが高くなっています。
特に、観光客が地元の特色ある食事を求める傾向にある中で、サイゼリヤのような国際的なチェーン店がそのニーズに合わない場合、店舗運営が難しいという現実があります。
確かに、多くの観光地、特に長崎や沖縄のような県では、サイゼリヤの店舗は見られません。これは観光地特有の理由に加え、地元の飲食事情との競合が原因です。
観光客がその地の料理を求めるため、サイゼリヤに足を運ぶことが少ないため、採算が合わないことが多いのです。
さらに、沖縄県では、サイゼリヤだけでなく、一般的な飲食チェーンの数自体が少ないことも、新規出店が進まない一因です。
観光地での高い家賃と限られた客層の需要を考慮すると、サイゼリヤのようなレストランが出店を躊躇するのは理解できる状況です。
人口密度と飲食店の出店戦略
飲食業界では、チェーン店の出店場所を決める際、地域の人口密度が重要な要因となることが多いです。サイゼリヤも例外ではなく、人口が多い地域、特に都市部に出店する傾向があります。
例えば、2023年5月にサイゼリヤが青森県に初出店した事例を見ると、東北地方の他県、特に宮城県には既に20店舗を展開しており、これは青森県と宮城県の人口差が大きく影響していると考えられます。
また、四国地方のようにサイゼリヤの店舗が少ない三県については、観光地という特性も一因かもしれませんが、それ以上に人口の少なさが出店戦略に影響している可能性があります。
しかし、日本で最も人口が少ない鳥取県や二番目に人口が少ない島根県にもサイゼリヤの店舗が存在することを考慮すると、人口密度だけが出店の決定要因ではないことが示されます。
このため、将来的には人口が少ない地域でも新たなサイゼリヤの店舗が開設される可能性は十分にあり得ると思われます。
存在しない地域も?サイゼリヤの未出店県【総括】
この記事では、サイゼリヤが未だに店舗を構えていない県とその背景について解説しました。多くの人がどこにでもあると認識しているサイゼリヤですが、実際にはいくつかの地域ではまだその名前すら馴染みが薄いかもしれません。
予想外にサイゼリヤが存在しない県があるという事実に、私自身も少なからず驚きを感じました。未出店の理由には、この記事で取り上げた地理的、経済的な要因の他にも、さまざまな理由が考えられます。
サイゼリヤのファンとしては、もっと多くの地域でサイゼリヤの料理を楽しんでほしいと願っています。今後、サイゼリヤが未出店の県にも積極的に進出し、全国各地で新たなファンを獲得していくことを期待しています。
全国の食文化の一部として、サイゼリヤがもっと身近な存在になってほしいと思います!