6人でゆったり乗れる高級車なんて、本当にあるの?──数年前までの私はそう思っていた。
家族5人+母の送り迎えに追われていた頃、ミニバンの選択肢しかないと思い込んでいた。
でもある日、「高級車 6人乗り」で検索したのがすべての始まりだった。
そこから、私のクルマに対する価値観はガラッと変わった。
「高級車=セダン」「6人乗り=ファミリーカー」みたいな先入観を打ち壊すような、
デザインも、走りも、乗り心地も妥協なし──そんなモデルが、確かに存在していたのだ。
この記事では、私が実際に試乗・購入を検討し、最終的に選んだ「6人乗り高級車」の実体験と、
それまでに見てきた候補車たちのリアルな印象を、余すことなく語っていきたいと思う。
高級車 6人乗りを探すきっかけは「ミニバン疲れ」だった
もともと私は、国産ミニバン(いわゆる3列シートの一般的モデル)をずっと使っていた。
スライドドア、広々とした車内、チャイルドロック──子育てには最適だった。
でも、子どもたちが成長してくると、少しずつ不満が出てきた。
「足元が狭い」「加速が遅い」「高速で横風に振られる」──
家族が増えたから選んだ車なのに、正直、運転が楽しいとは思えなかった。
一方で、ある時送迎の合間に乗った同僚の輸入SUV。
その時の静粛性、加速感、そして何より「大人が6人乗っても疲れない」感じに衝撃を受けた。
「高級車でも6人乗れるクルマがある」──
そう気づいた瞬間から、私の“クルマ選び”は変わっていった。
高級車 6人乗りの候補:実際に見て・乗って分かったリアルな印象
ここからは、私が実際に候補に入れて比較・試乗した「6人乗り高級車」たちの印象を正直に書いていく。
レクサス LM(Lexus LM)
まさに“動くスイートルーム”。
最初に見たとき「これがミニバンなのか…?」と絶句した。
6人乗りモデルは3列配置(2-2-2)で、2列目と3列目も独立シート。
パーテーションやマッサージ機能付きのエグゼクティブシートなど、完全にショーファーカー仕様だ。
ただし、この車は“乗る人”のためのクルマ。
ドライバーとしての楽しさは薄い。私には「日常使いにはやや大げさ」だったが、VIP送迎用途なら間違いなく最高。
ボルボ XC90(6人乗り仕様/B6 AWD)
北欧デザインと安全性の象徴。私が実際にもっとも真剣に検討した1台。
3列6人乗りの仕様で、2列目がキャプテンシート(独立)仕様になっている。
乗り味は硬めだが、しっかりとした走行安定性があり、高速道路の長距離移動でも疲れにくい。
インテリアの質感も上品で、ウッドとレザーの調和が美しい。
小さな子どもではなく、“ある程度大きくなった家族”向けだと感じた。
メルセデス・ベンツ Vクラス(Avantgarde EX 6人仕様)
ベンツにも6人乗りはある──そう知ったときの衝撃は大きかった。
この車は“走るラグジュアリーバン”そのもの。
Vクラスの6人乗りは、キャプテンシート×3列構成が可能で、「全員が個室にいるような空間」が魅力。
ただし、全長が5mを超えるため、街乗り・駐車は若干のストレスがある。
それでも「空間もラグジュアリーも欲しい」というニーズには完璧に応えてくれる1台だった。
トヨタ アルファード EXECUTIVE LOUNGE(6人乗り)
やっぱり“国産最強高級ミニバン”は無視できない。
6人乗り仕様のアルファードは、2列目の快適さが他とは一線を画していた。
ふわっとした乗り心地で、家族ウケも抜群。
リセールも高く、燃費もハイブリッド仕様で◎。
ただし、走りに関してはやや物足りなさがある。高級感より「快適・安全・実用性重視」の印象。
私が選んだ「高級車 6人乗り」の最適解はコレだった
最終的に私が選んだのは──ボルボ XC90(6人乗り仕様)。
理由は明確だった。
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「運転する楽しさ」がしっかりある
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「家族6人全員」がちゃんと快適に過ごせる
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「都市部で使えるサイズ感」と「長距離移動に強い足回り」の両立
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「安全装備・デザイン・静粛性」など、すべてにおいて高バランス
レクサスLMやVクラスのような豪奢さはない。
でも、毎日の生活にもなじみ、出先では「お、これはいい車だな」と必ず言われる。
乗って半年、“ちょうどいい高級感”と“走る楽しさ”を同時にくれる唯一の1台だと実感している。
この続きでは…
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家族構成やライフスタイル別「6人乗り高級車の選び方」
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実際にかかった維持費・使用感・細かな気付き
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6人乗りを活かす収納術&チャイルドシート活用法
…などを深掘りしていく。
「ただ大きいだけじゃない、ちゃんと選ぶ意味のある6人乗り高級車」を求めている方に、
少しでも参考になる実体験をシェアできれば嬉しい。
家族構成やライフスタイル別「6人乗り高級車の選び方」
6人乗りの高級車は、単に“たくさん乗れる”だけじゃない。誰が乗るか、どう使うかでベストな一台はガラッと変わってくる。実際、私が選ぶときもそこがいちばん悩んだ。
小さな子どもがいる家族
まずは子育て真っ只中のファミリー。チャイルドシート、荷物の多さ、寝かしつけ中の静けさ──この辺が全部大事。レクサスLM500h“バージョンL”は、その辺をまるごとクリアしてくれた。
2列目に独立キャプテンシートがあって、チャイルドシートの取り付けがラク。背もたれや肘掛けの形状もよくて、しっかり固定できた。スライドドアも広いし、乗せ降ろしもサクサク。
一番ありがたかったのは静粛性。エンジン音も風切り音も聞こえにくいから、子どもが車内で寝たままでも安心できる。
中高生の子どもがいる家族
うちもそうだけど、ティーンの子がいると、車内での“距離感”が大事になってくる。近すぎると嫌がるし、遠すぎても話がしづらい。
BMW X7の6人乗りは、その点が絶妙だった。2列目に独立コンフォートシート。肘掛けもあるし、個別にエアコンの調整ができる。スマホ充電もUSBが各席に付いてて、ゲームや動画もストレスフリー。
移動中は子どもたちはそれぞれ自分の世界。だけど、話したいときにはすぐ会話できる距離感がいい。X7にしてから「またドライブ行こうよ」って言われる回数が増えた。
祖父母や多世代で乗る場合
高齢の親と一緒に動くこともある。そのときは「段差が少ない」「足元が広い」「乗ってるだけで疲れない」──これがすべて。
私が実家に戻るたびに借りてるのが、トヨタ・グランエース プレミアム。全長5.3m超えの大型ボディ。2列目・3列目のシートも広くて、リクライニングしても全然窮屈じゃない。腰の位置も高すぎず低すぎず、乗り降りしやすい。
「長距離でも体が痛くならない」って親も気に入ってる。運転してる私自身も、シートの出来に感心してる。たしかに大きいけど、ステアリングも軽くて市街地でも意外と扱いやすい。
実際にかかった維持費・使用感・細かな気付き
正直に言うと、買う前はいろいろ心配だった。税金や燃費、保険料──やっぱり高級車だから気になる。でも、2年乗ってみて感じたのは「思ったほどじゃないな」ってこと。
燃費のリアル
たとえばレクサスLM500h。ハイブリッドだから燃費はまあまあ良い。街乗りで平均11〜12km/L、高速だと14km/Lくらい行く。これだけ車重あるのに、この数値は優秀だと思う。
ディーゼルのCX-8も前に乗ってたけど、軽油のおかげでランニングコストはかなり抑えられた。年間走行距離が多い人には、ディーゼルの6人乗りもアリだと思う。
税金・保険
税金は排気量や車両価格に応じて変動する。3列シートの高級車クラスになると、それなりの維持費は覚悟しておいた方がいい。
任意保険についても、車両価格が高いぶんベースの保険料は上がる傾向があるが、補償内容や等級、安全装備の有無によって調整できる余地はある。
自分の場合、安全装備の充実したモデルに乗っているからか、保険会社のプランでも割引適用があった。補償をしっかり選べば、必要以上に負担が増える印象はなかった。
使いながら気づいたこと
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電動スライドドアって一度使うと戻れない。両手がふさがってるとき、足元でセンサー開閉できるのが超便利。
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高速巡航中の静けさが疲労感を大きく左右する。キャデラックXT6のノイズキャンセリングはマジで効果的だった。
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収納は、3列目を使ってもそこそこ積めるクルマじゃないとキツい。CX-8は3列目使用時も荷室に余裕があって助かった。
6人乗りを活かす収納術&チャイルドシート活用法
人数が多いと、それだけ荷物も増える。だから収納力とアレンジ性は超重要。
荷室・収納の工夫
3列目が跳ね上げ式だと収納量が激減する。だから私は“床下収納付き”や“片側だけ倒せる分割可倒式”を重視して選んだ。
たとえばアウトドア道具を積むとき、片方だけ3列目を倒して、反対側に人を座らせる。これだけで使い勝手がかなり変わる。
ドリンクホルダー、USB、スマホ置き場──こういう小さな装備の数と位置が、実は快適さに直結してくる。
チャイルドシートの位置と工夫
チャイルドシートは2列目が基本。キャプテンシートなら取り付けも簡単だし、左右どちらかに寄せて設置すれば、3列目にアクセスしやすくなる。
ISOFIX対応のクルマは多いけど、あとは“高さ”と“座面の奥行き”も見逃せない。奥行きが浅いとチャイルドシートが浮いたりズレたりしやすい。
助手席には絶対付けたくないから、6人乗りで“真ん中が空いてる”っていう構成がかなり助かる。前後の動線が確保できるのもメリット。
まとめ:ただ大きいだけじゃない、6人乗り高級車の本当の価値
6人乗りの高級車って、派手に見えるかもしれない。でも乗ってみて分かったのは、これは“家族のための道具”なんだってこと。
子どものライフスタイルの変化、親の体力の変化、自分の働き方や趣味の幅が変わる──そういう「日常の変化」に自然とフィットしてくれるのが、このクラスの車だった。
どれだけ多機能か、どれだけ快適か、どれだけ家族が笑ってくれるか。
ただ移動するだけじゃなく、乗ってる時間そのものが“豊か”になる。私はそれを手に入れて、本当に良かったと思ってる。