「スピードマスターって、時計好きしか選ばないモデルでしょ?」
僕がそう思っていた頃、腕時計なんて時間がわかればそれでいい、と思っていました。
ところが30代になり、少しずつライフスタイルにも変化が出てきたとき、「自分を表す“ひとつのモノ”が欲しい」と思うようになったんです。
スーツでも私服でも合って、ガジェットじゃなくて、人生を共にできるような存在。そんな“自分にとっての一本”を探し始めました。
そして最終的に僕が選んだのが、オメガの「スピードマスター プロフェッショナル」。いわゆる“ムーンウォッチ”と呼ばれるモデルでした。
この記事では、時計初心者の僕がなぜスピードマスターに惹かれたのか、実際に使って感じたこと、そして「この時計がどんな人に向いているのか」をリアルな目線で語っていきます。
スピードマスターってどんな時計?まずは基本情報をおさらい
スピードマスターは、スイスの老舗ブランドOMEGA(オメガ)が1957年に発表したクロノグラフモデルです。
とくに有名なのは、1969年、アポロ11号の宇宙飛行士が月面に降り立った際に着けていた時計がこのスピードマスターだったという話。
その事実から「ムーンウォッチ」という愛称でも知られています。
以下、特徴をざっと整理しておきます:
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クロノグラフ(ストップウォッチ機能付き)
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タキメーター付きベゼル(速度計算用)
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手巻きムーブメント(自動巻きではなく毎日巻く)
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42mmケースサイズ(少し大きめだが存在感あり)
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黒文字盤+白インデックスという高い視認性
一見シンプルだけど、“語れるスペック”と“使い込むほど深まる味”を持った一本です。
なぜ僕がスピードマスターを選んだのか?リアルな購入ストーリー
「ちゃんとした時計を持ちたい」と思ったのがきっかけ
20代はずっとスマートウォッチやシンプルなクォーツで済ませていました。でも、30歳を過ぎてから、仕事でもプライベートでも「自分らしさを表現できるアイテム」を持ちたいと考えるように。
服やバッグではなく、毎日身につけて時間と共に過ごせるモノ。そこで自然と腕時計が選択肢に上がりました。
最初はロレックスやタグ・ホイヤーも候補だった
ロレックスのサブマリーナやエクスプローラー、タグ・ホイヤーのカレラも見ました。どれもカッコいいし、知名度もある。でも、どこかしっくりこない。
そんな中で出会ったのが、スピードマスター。
「月面に着けて行った時計って、なんだよそれ!」という驚きから入り、気づけばその歴史や設計思想にハマっていました。
試着した瞬間に「これは俺の時計だ」と直感した
実際に店舗で試着したとき、驚くほど腕にしっくりきました。
少し大きめのフェイスなのに主張しすぎない。黒とシルバーの落ち着いた配色、絶妙な厚み、手巻きならではの軽やかさ。
そして何より、「この時計には語れるものがある」と感じたんです。
僕の中で“持ち物”から“パートナー”に変わった瞬間でした。
スピードマスターの実用性は?使って感じた5つのポイント
1. 圧倒的な視認性の高さ
黒い文字盤に白の針とインデックス。このコントラストがとにかく見やすい。
夜でもしっかり光るルミノバのおかげで、視認性もバッチリ。ビジネスでもアウトドアでも、サッと時間が確認できます。
2. クロノグラフって意外と使う
「ストップウォッチって必要?」と思ってたけど、意外と使います。
僕の場合は以下のようなシーンで活躍しています:
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パスタを茹でる時間の計測
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朝のストレッチ時間
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プレゼン練習のタイム取り
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電車の乗り換えまでの待ち時間
スマホで済むと言えば済む。でも、「時計で時間を測る」という行為が気持ちを整えてくれるんです。
3. 手巻き式の“面倒さ”が楽しくなる
最初の数日は「巻くの忘れたらどうしよう」と思っていました。でもすぐに慣れます。
朝起きて、顔を洗って、時計を巻く。この流れが自然と習慣になりました。
巻いているときの「カリカリッ」という感触も気持ちいいんです。
なんというか、“自分の手で時間を動かしている”という実感があるんですよね。
4. 意外とどんな服にも合う
スーツでもジャケットでも、Tシャツでも。スピードマスターは不思議と馴染みます。
これはデザインが「完成されている」からだと思います。
ごちゃごちゃしていない。だけど目を引く。
シンプルな中に“機能美”がある、そんな時計です。
5. 外出中も話のネタになることがある
意外だったのは、この時計が会話のきっかけになることが多いという点。
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「あ、ムーンウォッチですか?」と聞かれる
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同僚が「実は気になってたんだよね」と話してくれる
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時計好きと自然と仲良くなれる
ブランドや価格ではなく、“選んだ理由”を語れる時計だからこそ、人とのつながりにもなりやすいのかもしれません。
スピードマスターはこんな人に向いている【タイプ別に紹介】
自分らしいストーリーを大切にしたい人
スペックやブランドだけでなく、「自分がこれを選んだ理由」を語りたい人には最高の一本。
スピードマスターには「宇宙」「挑戦」「人類の歴史」といった壮大な背景があり、それを日常の中で身につけられるという面白さがあります。
メンテナンスも含めて“付き合える”人
手巻き式=面倒、と思う人もいるかもしれません。でもそれを“日課”として楽しめる人にとっては、逆に魅力になります。
「道具を手入れするのが好き」
「ちょっとした手間を心地よいと感じる」
そんな感覚がある人には、ぴったりです。
「誰かに見せたい」より「自分の軸を持ちたい」人
スピードマスターは、派手さはありません。金ピカでもないし、大きなブランドロゴを主張するわけでもない。
でも、静かに、しっかりと、“自分”を引き立ててくれる存在です。
周囲の評価ではなく、「自分が納得できるモノ」を選びたい。
そんな価値観を持つ人にこそ向いています。
スピードマスターの注意点と付き合い方
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厚みがあるためシャツの袖口に引っかかることがある
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防水性能は控えめ(雨・手洗い程度はOK)
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クロノグラフ操作は少し慣れが必要
ただし、これらは「欠点」ではなく「個性」として捉えられるレベル。
その個性を愛せるかどうかが、この時計との付き合い方の鍵になります。
まとめ:スピードマスターは“時間”と“自分”をつなぐ道具
僕にとってスピードマスターは、ただの高級時計ではありません。
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毎朝、ゼンマイを巻くことで自分を整える
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日中、手首にあるその存在が「選んだ理由」を思い出させてくれる
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ふとした瞬間に、時間と向き合うことの大切さを教えてくれる
それは、人生の節目で手にする“自分との約束”のような一本だと感じています。
もしあなたが今、
「自分らしさを持てる時計が欲しい」
「ただ便利なだけじゃない、意味のある一本が欲しい」
と思っているのなら、スピードマスターは選択肢に入れる価値が十分あるモデルです。
それは、時間を超えて語り継がれる“道具”と生きる、という体験になるはずです。