高級腕時計 市場規模 日本|人気ブランドと消費動向から読み解く現在と今後

広告

ラグジュアリーライフ

高級腕時計の世界──日本市場でいま何が起きているのか。私が時計にのめり込むようになった理由を交え、リアルな現場の変化を伝えたい。

私が初めて“高級時計”というものを手にしたのは、40歳を目前にしたある誕生日のことだった。選んだのは、グランドセイコーのシンプルな三針モデル。あのときの重みと鼓動は、今も腕にしっかりと記憶されている。

この記事では、私の実体験や現場で感じた変化を通じて、日本の高級腕時計市場の“今”をひもといていく。

百貨店の売場、オンラインの盛り上がり、若年層の新しい購買動向──全ての変化が“今”の腕時計を形づくっている。

読み終える頃には、きっとあなたも、自分にとっての“1本”を見つけたくなるはずだ。

なぜいま高級腕時計が再注目されているのか?私の“1本目”との出会いから

日本の高級腕時計市場──この言葉を意識するようになったのは、偶然読んだ業界レポートがきっかけだった。

日本の高級腕時計に対する関心は、購入者の背景や選ぶ理由にも反映されているように感じる。

そこには、百貨店での高価格帯腕時計の売上が伸びていること、そして若年層からの購買も増加していることが記されていた。

「えっ、時計ってそんなに売れてるのか?」と正直驚いた。

なぜなら、私にとって腕時計は“贈り物”か“仕事道具”くらいの認識で、10年前にグランドセイコーを買ったきり、真剣に選んだ記憶がなかったからだ。

あのとき手にしたグランドセイコーの三針モデルは、40歳の誕生日に自分で贈ったものだった。スーツにも合う、落ち着いた黒文字盤。とにかく“ちゃんとした大人”になりたくて選んだ。

そのときは単なる「見た目」と「国産の安心感」で選んだつもりだったが、使い続けるうちにわかったのは、高級腕時計は“時間を見る”ためだけの道具ではないということだった。

日本の高級腕時計市場に起きている静かな変化とは

近年、国内の高級腕時計市場は静かに、しかし確実に広がっている。

時計売場の様子を見れば一目瞭然だ。都内の百貨店では、有名ブランドのブースが以前より大きくなっている。

私が何度か訪れている某百貨店では、時計コーナーがワンフロア丸ごとリニューアルされ、ロレックスやオメガ、グランドセイコーの専用スペースが常設された。

さらに驚いたのは、客層の変化だ。以前は“中高年男性”ばかりだったが、今はカップル、20代の若い男性、そして女性一人でブランドを見ている姿も珍しくない。

こうした高級時計の盛り上がりは、購入者層の広がりという形でも目に見えている。

もちろん、私自身もこの流れの中にいる。数年前、ある知人がジャガー・ルクルトのレベルソを着けていたのを見て、一瞬で心を奪われたことがある。

その上品なケースの輝きと、クラシカルなフォルム。あのとき、「次に買うなら、こういう時計がいい」と思った。

その後、私は時計専門店で実物を見た。そして、驚いた。ロレックスとはまったく違う“静かなオーラ”がある。ああ、これは道具じゃなく“語る時計”なんだなと。

数字だけでは見えない市場の輪郭

最近注目されている高級腕時計には、単なる“売上”や“出荷数”以上の理由があるように思える。

私が強く感じるのは、「買う理由の多様化」だ。たとえば、かつての“ステータス”としての時計は、今や“自己表現”や“人生の節目の記録”として語られるようになった。

ある知人は、昇進祝いにオメガのスピードマスターを購入した。営業先で話題になることもあるらしく、「これは仕事道具でもある」と笑っていた。

また別の後輩は、祖父の形見である国産の機械式時計を修理して愛用している。ブランドものではないが、彼にとっては「思い出を刻む装置」だという。私はこの話を聞いて、「市場って、データだけじゃ測れないな」とつくづく思った。

高級腕時計は“語れるモノ”になった

今の日本市場における高級腕時計は、単なるファッションアイテムではなく、“ストーリーがあるモノ”として扱われていると私は感じる。

たとえば、グランドセイコーの「雪白ダイヤル」は、日本の雪景色をモチーフにした独特の文字盤が有名だ。私も一度、店頭でそのモデルを見たことがあるが、まるで和紙のような質感で、静かに目を引く魅力があった。

「説明できる時計は、愛される」──そんな傾向があるとすれば、現在の日本では、“語れるモノ”を選ぶ人々の動きが、静かに広がっているように感じられる。

人気ブランドに見る「語れる時計」の魅力

私が「時計は語れるもの」と実感したのは、パテック フィリップのカタログを初めて開いたときだ。そこには、スペックではなく“家族の歴史を受け継ぐもの”として時計が描かれていた。

高級腕時計が単なる「高価な商品」ではなく、「時間と想いを継ぐ存在」として扱われていたのだ。

私自身が惹かれるのも、ロレックスやオメガといった名の知れたブランドだけではない。ジャガー・ルクルトやブレゲのような、知る人ぞ知る時計ブランドにも強く心を動かされた。

特に印象的だったのが、ある友人が持っていたIWCのポルトギーゼ。彼は多くを語らなかったが、「この時計には“意味”があるんだ」とだけ言った。その言葉の重みに、私は羨望と敬意を感じた。

市場規模の広がりを支えているのは、こうした“物語性”のあるブランドたちだ。ブランド名で買う時代から、自分の人生と響き合う時計を選ぶ時代へ。私はそう確信している。

リセール市場で感じた“価値が続く”時計選び

私が時計を“手放す”という行為に向き合ったのは、2本目を迎えるタイミングだった。ライフスタイルの変化で、以前よりも軽快でシンプルなデザインのものが合うようになっていたからだ。

最初は少し後ろめたさもあった。だが、信頼できる時計専門のリユース店で査定を受け、丁寧に扱ってもらったことで、その気持ちは消えた。まるで引き継ぐバトンのように、その時計も“次の時間”へと送り出された気がした。

実際、日本の中古時計市場は急速に整備されてきている。真贋の精度、保証制度、専門スタッフの対応……どれも安心感が増している。

私は今、3本目の時計を中古で検討している。理由は単純。「新品かどうか」よりも「自分に合っているか」が大事だからだ。価値は新品のタグではなく、“その人にとって意味があるか”で決まる──それを体感した経験だった。

どこで買う?購入チャネルと選び方のコツ

最初の時計は正規店で買った。2本目はリユース店。そして3本目は、オンラインの正規ECで購入した。

この3つの買い方をすべて体験した私から伝えたいのは、「どのチャネルにも良し悪しがある」ということだ。

正規店では、ブランドの哲学や丁寧な接客に触れられる。一方、オンラインではレビューやスペックをじっくり確認でき、在庫の選択肢も多い。ただし、オンラインでは“試着できない”という制限もある。

私はいつも、まず店頭で実物を見てからオンラインで検討するようにしている。リユースショップでも、直接足を運んで状態を確認し、納得したうえで購入する。

そして何よりも大事なのは、「誰から買うか」。値段の安さだけに引っ張られず、アフターサポートや返品対応も含めた“信頼”を重視している。

時計との関係が「一生モノ」から「人生の相棒」へ

「一生モノの時計を一本持つ」──昔はそれが“理想の大人”の条件のように語られていた。

だが今、私のまわりの時計好きたちは違う。
「節目ごとに選び直す」「気分で付け替える」「子どもに譲る前提で選ぶ」──時計との関係性が、より柔軟で個人的になってきている。

私自身も、気分で選べる2〜3本の時計を持つようになった。スーツには薄型のドレスウォッチ。休日はスポーティなモデル。そして、旅には防水性能の高い1本を。

それぞれの時計に、それぞれの思い出がある。旅先で撮った写真の中にさりげなく写る時計を見て、「あのとき、こう感じてたな」と思い返すこともある。

つまり時計は、“所有する”だけでなく、“共に生きる”ものへと変わってきている。
そして、その変化こそが、日本の時計文化に深みが増しているように、私には感じられる。

まとめ:私が時計に込める“時間”と思い

私にとって、高級腕時計とは「静かな対話」だ。

静かに時を刻み、何も語らない。けれど、ふとした瞬間に見るだけで、過去の自分や大切な誰かを思い出せる。そんな不思議な存在だ。

時計を選ぶという行為は、結局のところ「自分をどう見つめるか」に通じているのかもしれない。
これまで選んできた時計の数だけ、私は自分の人生と向き合ってきた。

だからこそ、高級腕時計が多くの人の関心を集めている今、それぞれの「時間の物語」が広がっているように、私は感じている。

 

タイトルとURLをコピーしました