吾人、これまでずっと「時計は真面目であれ」と思って生きてきた。
ロレックスの堅実さ、グランドセイコーの職人魂。そういう“ちゃんとした一本”こそが男の格だと思っていたのである。
だが、ある日。 銀座のとある高級時計店で、運命の出会いを果たす。
——なんじゃこの時計!?
目の前にあったのは、暴れる数字、丸いのに角ばったケース、そしてどこか浮かれた雰囲気の高級時計。
それが、吾人と「フランクミュラー」との出会いだった。
吾人、初めてフランクミュラーに出会う
「お客様、こちらは“フランクミュラー”というブランドでして…」
店員の解説は、ほぼ入ってこなかった。 吾人の脳内では、文字盤の中で跳ね回る数字たちがぐるぐるしていた。
“どう見てもふざけてる”
が、ふと我に返った時——
「いや、これ、カッコいいかも」
そう思ってしまった自分がいた。
あの真面目な吾人が、あの慎重な吾人が、である。
フランクミュラーって誰なんだ?ざっくり紹介
この衝撃に耐えられなくなった吾人、帰宅後即調査。
出てきたのが、天才時計師フランク・ミュラー氏であった。
- スイス生まれ
- 若くして複雑機構(トゥールビヨンとか)を極めた人
- 1991年、自身のブランド「フランク ミュラー」設立
- モットーは“時の哲学者”
つまり、遊んでるようで中身はバチクソ真面目という、まさに“ギャップ萌え”の塊みたいなブランドだったのだ。
吾人、違和感の正体を探る:「なんで奇抜なのに上品なんだ?」
よく見れば、色使いも派手。 文字盤もクネクネ。 フォントも「小学2年生の自由帳」みたい。
だが、それでいて安っぽくない。むしろ高貴ですらある。
その理由を吾人なりに考えた。
- ケースやリューズ、細部の作りが精緻で質感が高い
- 材質・重厚感・バンドのフィニッシュなどが“本気”
- そして、「デザインの奇抜さ」が計算し尽くされてる
つまり、奇抜=軽薄じゃない。遊び心 × 本気の技術力だからこそ成り立っている。
時計は「真面目」だけじゃつまらない?
吾人、少しだけ過去の自分を振り返った。
たしかに、ロレックスやグランドセイコーには背筋を伸ばさせてもらった。 だが、フランクミュラーの時計を見た瞬間に笑ってしまった自分がいた。
「うわ、なんかテンション上がる!」
そう感じたのは初めてだったのだ。
この感覚——“時計なのに元気が出る”というのは、 ロジックでは語れない新しい価値かもしれん。
次に、吾人はフランクミュラーの定番モデルを徹底解剖し、 「なぜ一部の人には刺さりすぎて、他の人には全く響かないのか?」 その“好みの境界線”に迫っていく。
吾人、さらに沼へ沈んでいく。
さて吾人、フランクミュラーの世界に踏み込んだ。
これはもう“時計”というより、“性格診断”のような世界だった。
ではここから、吾人が調査・試着・妄想を重ねに重ねた末に導き出した、 フランクミュラーの代表モデルとその「刺さる人・刺さらない人」分析に参る。
代表モデル1:カサブランカ
いわゆるフランクミュラーの“入り口時計”。 トノー型(樽型)ケース、すべてが曲線で構成された優美なモデル。
- 派手すぎないけど個性は強い
- 白黒の文字盤に跳ねるアラビア数字
- カジュアルにもスーツにも微妙に合う
刺さる人:
- 個性を出したいけど悪目立ちは避けたい
- 時計に“語れる物語”を求めている
刺さらない人:
- シンプル・ミニマル命の人
- ロレックスのスポロレみたいな「完成形」に安心する人
代表モデル2:ヴァンガード
これぞ“筋肉質フランクミュラー”。 より現代的でスポーティ、でもちゃんと文字盤は「踊ってる」。
- 大きめのケースサイズ
- 分厚くて男らしい
- カジュアルに全振りしたモデル
刺さる人:
- ゴツい時計が好き
- ストリート系ファッションに合わせたい
- スポーツカーの助手席に乗りたい願望あり
刺さらない人:
- スーツの袖に収まらないと嫌な人
- 軽量&薄型命な人
代表モデル3:ロングアイランド
逆にこちらは長方形フェイスが特徴的。 どこかレトロで、ドレッシー。
- アールデコ調の文字盤デザイン
- 薄型ケース
- カラー展開も豊富でレディース人気高い
刺さる人:
- 芸術的なものが好き
- 人と被りたくない
- 時計に“華”を求める
刺さらない人:
- 男らしい無骨さを求める人
- スポーツ用途で時計を使いたい人
吾人、実際に試着(妄想)してみた
カサブランカを試着。 腕に乗せた瞬間、まるで“アクセサリー”のような軽やかさ。 なのに文字盤の視認性はしっかりしてる。
……なんだこれ、楽しい。
ロレックスを着けたときは「背筋が伸びる感じ」だったが、 フランクミュラーは「肩の力が抜けて、ニヤける」感覚だった。
結論:フランクミュラーは「自分を解放する時計」
- 見た目は遊んでる
- 中身は超マジメ(複雑機構・精密仕上げ)
- 価格はしっかり高級ライン
つまりこのブランド、“ふざけてるようで、全然ふざけてない”
そして、それを選ぶ人もまた 「ちゃんとしてるけど、遊び心を忘れない人」なんだと思う。
まとめ:時計に“正解”を求めるな。“反応”を求めよ
吾人、今回の冒険で一つ悟った。
時計選びにおいて、スペックやリセールももちろん大事。 でも、「これ面白い!」と思える直感こそが、自分の“感性”を映す鏡なんだ。
フランクミュラーは、万人受けはしない。 だが、刺さる人にはグサッと刺さる。
それが“個性”ってやつだろう。
吾人、フランクミュラーにやられた。 そして、この記事を読んでる奇抜な同志よ——
ぜひ一度、腕に乗せてみてくれ。 ニヤけたら、もうそっち側の人間だ。