50代に差し掛かった頃、私はふと鏡に映る自分の姿に違和感を覚えるようになりました。若い頃に愛用していたファストファッションの服が、どこかしっくりこなくなったのです。
体型の変化や肌の質感の変化、そして何よりも内面の成熟が、以前のスタイルでは表現しきれなくなっていたのかもしれません。
そんな時、思い切って高級ブランドの服に手を伸ばしてみることにしました。初めて袖を通した瞬間、その上質な素材感と洗練されたデザインに心が躍りました。
着心地の良さとシルエットの美しさが、気分まで少し明るくなるように感じました。それ以来、高級ブランドの服は私のワードローブに欠かせない存在となりました。
今回は、私が実際に体験した高級ブランドの魅力と、それが50代の女性にどのような変化をもたらすのかをお伝えしたいと思います。
高級ブランドとの出会い
最初に手に取ったのは、イタリアのブランド「Max Mara」のコートでした。その上質なウール素材とシンプルながらも計算されたシルエットに、一目で心を奪われました。
試着してみると、まるで自分の体に合わせて仕立てられたかのようなフィット感。鏡に映る自分の姿が、これまでとは違って見えました。この体験が、高級ブランドの服が持つ力を実感するきっかけとなりました。
高級ブランドがもたらす変化
高級ブランドの服を身に着けるようになってから、周囲の反応にも変化が現れました。友人たちからは「最近、雰囲気が変わったね」「なんだか若々しくなった」と言われることが増え、自分自身も内面から自信が湧いてくるのを感じました。
また、質の良い服は長く愛用できるため、結果的にコストパフォーマンスも高いと実感しています。
50代女性におすすめの高級ブランド
私が特におすすめしたいブランドをいくつかご紹介します。
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Max Mara(マックスマーラ): 上質な素材と洗練されたデザインが特徴。特にコートやジャケットは、シンプルながらも存在感があります。
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Theory luxe(セオリーリュクス): モダンでミニマルなデザインが魅力。オフィススタイルにもぴったりで、着回し力が高いアイテムが揃っています。
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E by eclat(イーバイエクラ): 50代女性向けにデザインされたブランド。上品でありながらもトレンドを取り入れたアイテムが豊富です。
高級ブランドを取り入れるコツ
高級ブランドの服を取り入れる際、全身をブランドで固める必要はありません。お気に入りの一着を主役にし、他のアイテムはシンプルなものでまとめることで、バランスの取れたコーディネートが完成します。
また、アクセサリーやバッグなどの小物で高級感をプラスするのもおすすめです。
高級ブランドをどう選ぶ?私のリアルな失敗と学び
高級ブランドの世界に足を踏み入れてすぐ、「これは失敗だったかも…」と感じたことも実はありました。
最初のころ、私は「ラグジュアリー=派手で華やか」と思い込んでいたんです。だから、某パリのブランドのプリントが派手に入ったワンピースを、完全に気分で衝動買いしました。
お店のライトの下では素敵に見えたんですが、家に帰って着てみると、どうにも落ち着かない。「私らしさ」が全く感じられなかったんです。
その時、ようやく気づいたんです。高級ブランドの服でも、自分のライフスタイルや価値観に合っていなければ意味がない、と。
見栄や一時の気分に流されると、たとえどれだけ高価な服でも「クローゼットの飾り」にしかならないんだなと痛感しました。
この失敗から学び、私は「本当に自分が長く着たいと思えるか?」「手持ちの服と調和するか?」という基準で選ぶようになりました。
本当に良かった!愛用しているブランドとアイテム
ここで、私が私自身の体験から、特に気に入っているブランドとアイテムをご紹介します。
◆ Max Mara(マックスマーラ)|定番コート
やっぱり外せないのがMax Maraのコート。私は「マヌエラ」という定番のキャメルコートを愛用しています。
とにかくラインが綺麗で、羽織るだけでキマる。少し寒い春先でも、ワンピースにさっと羽織るだけで「品のある女性」になれる魔法のようなアイテムです。
5年以上着ていますが、全くくたびれた感じがしないんです。むしろ、年々馴染んでいくような感覚すらあります。
◆ E by éclat(イー バイ エクラ)|大人のためのデイリー服
雑誌「éclat」から生まれたこのブランドは、まさに50代女性のリアルな日常に寄り添ってくれる存在。
私はこのブランドの白シャツとワイドパンツを愛用しています。洗練されているのに気取りすぎない。家から少し出る日にも、ちょっとした集まりにも「ちょうどいい」んです。
年齢とともに「気負わない上質さ」を求めるようになった私には、本当にぴったりのブランドです。
着ることで生まれる内面の変化
「高級ブランドを着るなんて、見栄でしょ?」と言われたこともあります。でも、私の中では全く逆です。
上質な服を身に着けると、不思議と背筋が伸びるんです。鏡に映る自分が、自分で好きになれる。これは自己満足かもしれません。でも、その満足感が日々の行動や言動にも表れてくると、自然と周囲との関係も変わっていきました。
私が特に感じるのは、丁寧な装いを心がけることで、日常にも落ち着きが生まれるように感じます。
例えば以前は、コンビニに行くにもすっぴん+適当な服でパッと出ていたのが、今では「きちんとした自分」でいる意識がある。これが、意識の面でも老け込まないコツかもしれないなと感じています。
高級ブランドを楽しむ3つの心がけ
最後に、私が日々心がけている「高級ブランドとのつき合い方」をご紹介します。
1. 数より質で選ぶ
昔の私は「バリエーション命」で、流行の服を毎月買っては着なくなる、の繰り返しでした。でも今は、季節ごとに「1〜2着、本当に気に入った上質な服」を迎えるスタイルにシフトしています。
結果的に、クローゼットの中身もすっきりして、コーディネートに迷わなくなりました。
2. お直しを前提にする
50代になると体型の変化もあるし、「買ったけど合わなかった」と感じることも出てきます。そんな時、私はお直しを前提に考えるようにしています。
お気に入りの服は、少し手をかけることで何年でも愛用できます。職人の手を加えて、自分仕様に進化する——これも大人のおしゃれの楽しみのひとつです。
3. “人に見せる”より“自分がときめく”を重視する
SNS映えとか、誰かの視線のために着る服じゃなくて、「私が着たい」「私が嬉しい」って思える服を選ぶようにしています。50代の今こそ、自分に正直な服選びができる自由さがあると思うのです。
終わりに
50代になってから、高級ブランドの服を通して「自分を丁寧に扱う」ことの大切さを知りました。決して無理に流行を追わなくてもいい、誰かに認められなくてもいい——そんな自由さが、今の私には心地よい。
そして何より、自分を大切にすることで、自然と周囲にも優しくなれる気がしています。
高級ブランドというと、遠い存在に感じる方もいるかもしれません。でも、1着からでいい。少し背伸びをして、自分の人生に「とっておきの服」を迎えてみてください。私の場合、自分の中に小さな変化を感じられました。
私がそうだったように——。