5ナンバー車と聞くと、かつてのコンパクトカーやファミリーカーのイメージを思い浮かべる人も多いかもしれない。だけど私にとっての“高級車”は、意外にもこの5ナンバーサイズに詰まってた。
「排気量じゃない」「ボディサイズでもない」「税金だけじゃない」──じゃあ、何で決めたのかって?
この記事では、“5ナンバー=高級車じゃない”っていう思い込みをひっくり返した、私のリアルな体験を語っていく。
実際に乗ってみて初めてわかった“選ぶ基準”と、“国産で良かった”と思えた瞬間を、惜しみなく晒していくつもりだ。
「高級=3ナンバー」だと思い込んでた自分にツッコミを入れたい
最初に言っておく。
5ナンバーで“高級車”って聞いたとき、正直なところ、こう思ってたんだ。
「いやいや、それ高級って言えるのか?」
……でも、ある一台のセダンに乗ってから、そんな偏見はぶっ飛んだ。
ボディは確かに5ナンバーサイズ。コンパクトにまとまってて、どこか“控えめ”。
だけど乗った瞬間にわかるんだ。これは、見た目じゃなく中身が“上質”なクルマだって。
「デカけりゃいい」って思ってた昔の自分に、そっとハンドルでツッコみたくなった。
なぜ私が5ナンバー高級車に惹かれたのか
きっかけは子どもの保育園の送り迎えだった。
うちの駐車場、結構狭い。3ナンバーだと切り返し必須で、朝はそれだけで汗だく。
しかも道路も狭い住宅街。大型車だと神経使ってドッと疲れる。
でも、ある日ご近所さんが颯爽と駐車してる車に目が釘付けになった。
トヨタのプレミオ。小ぶりだけど、内装はウッド調の加飾がされていて、シートも上品。
「なんか、軽く“旅館の上座”感あるな」って思った。
それが私の“5ナンバー高級車”との出会いだった。
トヨタ・プレミオに乗って分かった「静けさ」という贅沢
知ってる?
プレミオって、見た目はちょっと大人しいけど、静粛性がすごい。
試乗のとき、販売員さんが「静かなのが売りなんですよ」とサラッと言ってたけど、
実際に運転すると、“音がしない”っていうより“音が邪魔しない”って感じ。
たとえば信号待ち。
車内で子どもと話してると、まるで図書館の個室みたいな落ち着きがある。
しかも運転も滑らかで、ステアリングがちょっと重めだから、高級車っぽいしっとり感がある。
この“静けさの贅沢”を、あの価格帯で味わえるのって、普通にすごいと思う。
クラウンやフーガにはない“ちょうどいい距離感”
実は昔、3ナンバーのクラウンも所有してた。
たしかに乗り心地はいいし、加速もスムーズ。でも、どこかで「見栄で買った」感があった。
あと駐車場に入れづらくて、地味に擦ったことが3回ある。しかも全部リアバンパー。
それに比べて5ナンバーのプレミオやアコード(旧型)は、自分に寄り添ってくる距離感がある。
広すぎない車幅は取り回し抜群だし、シートに沈み込むあの感触は“やりすぎない高級”の象徴だ。
豪華すぎず、でも質を落としてない。
これって実は“分かってる人だけが気づく美学”なんじゃないかと思ってる。
今思えば、いちばん贅沢だと感じたのは“疲れなさ”だった
あえて言いたい。
本物の高級って、“乗るときの気負い”がないことだ。
私は見栄で買った3ナンバーセダンのとき、服装まで気にしてた。
コンビニ行くだけなのに、なんとなくTシャツはやめとこうかな…って思ってた。
でも、5ナンバーのセダンに変えてからは、毎日の生活にスッと溶け込んでる。
助手席の妻がこう言ったんだ。
「なんか、このクルマって毎日の負担を減らしてくれるよね」って。
そこでようやくハッとした。
高級=華美じゃない。心が疲れない空間をくれることなんだ。
静かなエンジン音に、気づけば安心していた自分
あの日、仕事の打ち合わせ帰りに軽く渋滞にはまった。普段だったら舌打ちしてたはずなのに、ふと外を眺めて「あれ、心地いいかも」と思った自分に驚いた。
理由は単純だった。乗っていた“あのセダン”の静かさが、外の喧騒をしっかり切ってくれていたからだ。
5ナンバー枠に収まっているにも関わらず、車内は妙に落ち着いていて、きしみ音もなく、エアコンの風も耳障りじゃない。別にオプションで騒音対策したわけじゃない。でもなんか、安心感があって落ち着いたんだよね。
それが、私の中で“高級”って言葉の本当の意味だった。
「高いから良い」じゃなくて「合うから良い」って実感した瞬間
正直、それまでの自分は“3ナンバー至上主義者”だった。でかけりゃ正義、グレードが上なら安心。そんな考えにどっぷり浸かってた。
でもこのセダンに出会って、「高いのに合ってない車より、コンパクトでしっくりくる車のほうが満足度高い」という事実に思い知らされた。
ちょうどそのころ、生活スタイルも変わってきてた。頻繁に遠出はしないし、街乗り中心。でも“チープなのは嫌だ”というこだわりは譲れない。そんな条件を見事に満たしてくれたのが、国産5ナンバーの高級セダンだったわけ。
結果的に、「見栄のための車選び」から、「暮らしに合った車選び」に価値観が変わった瞬間だった。
家族のリアクションが地味に効いた
この車を買って最初に助手席に乗せたのは、母親だった。最初は「へー、ちょっと地味めだね」なんて言ってたのに、しばらく走ってから「静かで乗り心地いいわね」って言ってたのを今でも覚えてる。
その後、弟も乗った。特に車に興味ないタイプなのに、「なんか落ち着く空間だな」ってぼそっと言った。やっぱり感じるんだな、そういう違いって。
ちなみに、妻の評価も意外だった。「見た目は控えめだけど、長時間乗ってても疲れないね」って言ってた。たぶんこれが“本当の褒め言葉”なんだろうな。
コンパクトだからこそ味わえる、操作の一体感
5ナンバーのサイズ感って、駐車場や小回りだけじゃなくて、運転してるときの「車との一体感」も違う。大げさじゃなく、ハンドルをちょっと切ったときの応答性に、こっちの神経がすっと馴染む感覚がある。
ブレーキも踏み込みすぎず、加速も“必要十分”。それが、どれだけ毎日の運転に余裕を生むか。カタログには載ってないけど、実際に乗って感じるこの“軽やかさ”があるから、自然と運転が好きになっていった。
高級ってなんだ?と改めて考えさせられた
「装備が豪華」「価格が高い」「最新技術が詰まってる」──そういうことを“高級”だと信じ込んでた時期もあった。でも今思えば、それって単なるスペック至上主義だったと思う。
本当に良い車って、毎日使っても疲れない。静かで、快適で、自分のペースに寄り添ってくれる。ガツガツ主張してこないけど、ちゃんと質がある。そんな車に出会えたことで、“高級”の再定義ができた気がする。
ちなみに、5ナンバーってだけで「格下」と見てくる連中もいる。でも私にとっては、このサイズに“ちょうどいい贅沢”が詰まってる。無駄がないって、美しさだと思うんだよな。
「あのときの選び方」が、今の生活にしっくりきてる理由
車を買うときって、たいてい悩む。何が正解かなんてわからないし、買ってから後悔することもある。でもこのセダンに関しては、時間が経てば経つほど「やっぱこれで良かったな」って思える。
使い倒しても飽きない。通勤でもドライブでも、乗るたびにちょっとだけ気分が良くなる。そういう存在って、意外と少ない。たかが車、されど車。
この先も、次の車を選ぶときに“あの日の選択”が基準になる気がする。それくらい、私の中では強烈な成功体験だった。
記事のまとめ
振り返ってみれば、5ナンバーっていう“枠”があったからこそ、私は自分にとっての“本物の高級車”に出会えたんだと思う。
サイズはコンパクトかもしれない。でも、それが街乗りにも駐車場にもフィットして、維持も現実的で、なにより“自分がいいと思える時間”を運んでくれる。
高級車って、誰かの基準に合わせて買うもんじゃない。
排気量やグレードの高さよりも、「この一台に乗ってるときの自分が一番好き」って思えること。それがすべて。
5ナンバーを“選ぶ”んじゃなくて、“5ナンバーでしかできない贅沢”を楽しむ。
それが、私なりの国産高級車ライフの答えだった。