タグホイヤー フォーミュラ1の評判を信じた男の末路とは

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ラグジュアリーライフ

吾輩、F1の名を持つ時計に心を奪われる

メロスは激怒した。だが吾輩は、魅了された

TAG Heuer Formula 1(タグホイヤー フォーミュラ1)── それは、ただの時計ではない。時を刻む機械でありながら、スピードと情熱を腕に宿す装置である。

最初に画像検索でその文字盤を見たとき、吾輩は思った。

「この時計、走り出すんじゃないか?」

「きっかけは、いつも唐突である」

その日、吾輩は何気なく友人との集まりに顔を出していた。 グラスを片手に、どうでもいい話を交わしていた中で、彼が言ったのだ。

「最近、タグホイヤー買ったんだよ。フォーミュラ1。」

タグホイヤー。聞いたことはあった。 でも“高嶺の花”というより“F1ファンの装備”というイメージが先行していた吾輩は、特に興味を示さなかった。

……そのときまでは。

彼が袖口をまくったとき、吾輩の世界は回転を始めた。

「フォーミュラ1。その名に、スピードの美学あり」

見せてもらったのは、タグホイヤー フォーミュラ1 クロノグラフモデル。 ダイヤルはブラック、インデックスと針は赤とシルバーのコントラスト。 目立ちすぎないのに、目を引く。

まるでスタート直前のF1マシンのような緊張感。

吾輩は言った。

「……それ、いくら?」

「いや、そんな高くないよ。エントリーモデルとしても人気あるし、評判いいから。」

評判? エントリーモデル?

そう聞いた吾輩の脳内に、検索ワードが自動生成された:

タグホイヤー フォーミュラ1 評判

「検索から始まる、深夜の冒険」

気づけばその夜、吾輩は布団の中でスマホと睨めっこしていた。 YouTube、価格比較サイト、時計フォーラム。レビューを漁っていくうちに、気付いた。

このモデル、悪い評価があまりない。

・見た目以上に軽くてつけやすい ・クロノグラフの操作感が気持ちいい ・“F1”の名がついている割に価格は控えめ

あるレビューでは、こう書かれていた。

「機械式ほど重くなく、クォーツでもない。ちょうどいい“日常の相棒”」

吾輩の脳裏に、さきほどの赤い針が浮かんだ。 それはただの秒針ではない。走り出す意志を持つ針だ。

「気づいたら店の前だった」

翌週末、吾輩は気づいたら街に出ていた。 目的? 散歩。いや、ウィンドウショッピング。……そのつもりだった。

だが、気づいたら店の前だった。

タグホイヤーの正規販売店。ガラス越しに見えるフォーミュラ1のロゴ。 体が勝手に動いたのか、もしくは前世のF1レーサーが吾輩を導いたのか。

ドアを開けた瞬間、店員さんがすぐに声をかけてきた。

「何かお探しですか?」

「いえ、今日は見るだけで……」

と断る予定だった。

でも、口が勝手にこう言った。

「フォーミュラ1、見せてください。」

そして、試着。

ステンレスブレスのひんやりした感触。 リューズを回すときの軽快なクリック音。

気づけば吾輩は、カウンターに財布を置いていた。

吾輩、フォーミュラ1と生活を共にするが故に、家庭に波風立つ。

タグホイヤー フォーミュラ1を買った翌日。
朝目覚めると、吾輩の右腕は自然と時刻確認の動作を繰り返していた。

何度見ても同じ時間である。なぜなら、吾輩は1分に4回見ているからである。

「出勤時、無駄に3回見る」

・家を出る前にチラ見。
・玄関のドア閉めながらチラ見。
・マンションのエレベーター前でガッツリ見。

これはもはや確認ではなく愛である。

「会社にて:時計のせいで仕事が進まない」

PCのショートカットキーより、リューズ操作に詳しくなった。
タイムチャートを作ってるふりをして、実は秒針の動きを眺めていた。

上司:「その資料、あと10分でできる?」
吾輩:「……9分52秒あれば、可能です。」

(なお、できなかった模様)

「妻に見つかる」

夜、帰宅。
リビングにて、時計を外してクロスで拭いていると、背後から気配。

妻:「それ、なに?」

吾輩:「これはあの、タグホイヤーという……」

妻:「いくら?」

その瞬間、吾輩の脳裏に電光掲示板が浮かぶ。

『嘘をつくか? 真実を言うか?』

でも、口が勝手にこう言った。

「人気モデルで、なかなか手に入りにくくて……」

妻:「それ、いくら?」

吾輩:「た、体感では……なんかすごく“お得な気がする感”が……」

妻:「数字で言って。」

吾輩:「こう……脳内で“お手頃”って文字が踊るレベル……?」

結果、寝室のドアが秒速5センチメートルで閉まった。

「子どもにも影響」

翌朝。
小学3年の息子が時計を見て一言。

息子:「パパのその時計、速そう。」

……合ってる。
でもなんか違う。

「ご近所トークでもバレる」

町内のバーベキューにて:

隣の旦那:「あ、タグホイヤーですか? フォーミュラ1、いいですよね!」

吾輩:「(!?) あ、ええ、まあ、その、F1なんで……タイヤとかないですけど」

※冷静に考えてタイヤがあったら怖い。

「まとめ(という名の開き直り)」

  • 時計があるだけで生活が変わった。
  • 気づけば、テレビのレース中継にも詳しくなった(カタカナ多くてしんどい)。
  • 妻にはまだ完全に許されていないが、“秒針の滑らかさ”は何物にも代えがたい。

タグホイヤー フォーミュラ1。
それはただの時計ではない。家族を巻き込む、疾走するドラマである。

そして今日も吾輩は、鏡の前で袖を少しまくる。

「見てくれ、この速そうなやつを。」

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